消費者金融、無人店が再び増加 資金需要回復が背景に
日本経済新聞電子版より
借入額の総量規制や上限金利の引き下げを盛り込んだ改正貸金業法の完全施行から6年。経営悪化でリストラを繰り返してきた消費者金融の「無人店舗」が拡大に転じている。無人店はかつてお金を借りる垣根を下げ、消費者金融の利用者のパイを飛躍的に大きくした。収益環境が依然厳しい中、ここに来て増えているのはなぜか
かつて、消費者金融の新規獲得に大きく貢献した、店頭で店員と顔を合わせることなく契約することができる「無人契約機」。
過払い金請求によって大手でさえも経営が厳しくなり、銀行傘下になったりと大きく経営状況は変わり、維持費がかかる無人店舗は費用削減のため、大きく閉鎖されていきました。
その無人契約機が、また増加傾向にあるという。
理由の一つは、需要回復。そして、ネット申し込みの拡大ということらしい。
無人店はいわば消費者金融の“顔”だ。飛び込みで借りに来る人も少なくないため、どれくらい利用者の目に付くかが貸付残高に強く影響するといわれる。このため、一定程度の店舗数が必要というわけだ
「日本経済新聞電子版」より
確かに、どうしてもネガティブなイメージがある借り入れの際に知らない会社にいきなりいくのは抵抗がありますからね。
どうせ借りるなら知っている会社、よく目にしている会社、というのが安心感があるのはわかりますね。
ただ、TVCMでそのあたりはかなり喚起されているので、どちらかというと遠くまでわざわざ借りに行かない人たちに対するチャンネルの確保という用途のほうが多いのかもしれませんね。
よく目にする、ということが目的であれば主要な駅に確実に出店しておけば、その役目の大半はは果たせそうですので。
自宅や会社から10kmも20kmある店舗に借りに行くのは、無人店とはいえわざわざという感じがしますが、自宅の最寄り駅の駅前や隣駅の駅前にあるなら行きやすいのは間違いないですから借りやすさははるかに上です。
借り入れのハードルを下げるためという理由が大きいような気がします。
今やネット経由の融資の申し込みは各社とも6~7割を占めるがネット上で契約まで済ませる人は半分以下。「ネットで契約すると、自宅にカードが送られることで家族に利用を知られてしまうことを嫌がる人が一定数いる」(業界関係者)ため、無人店で契約する人が多いのだという。
「日本経済新聞電子版」より
「ネット申し込みが拡大しているのに、無人契約機をなぜ増やすの?」という疑問い答えるのがこの理由ですね。
ネットでの申し込みがここまで増えているのに、リアル店舗である無人契約機を増やす必要はあるの?と一般的には考えそうですが、その理由はずばり「家族にばれたくない」ということのようですね。
大手各社がネットで完全に契約までできるようになったのは、つい最近ですし、パソコンのキーボードやスマホをタッチするだけでできる申し込みと違い、契約までする場合は免許証などをスキャンしたり写真にとったりといった手間がありますので、まだまだ利用する人が少ないというのもわかりますね。
自宅にカードや契約書が送られて来たら、それを受け取った家族は「何?これ?」って普通はなりますからね。
たいていは、金融会社以外の名前で送られてきますが知らない会社からの書類ですのでなおさらですね。
それで、家族ばれするというのはよくある話ですので、それを嫌がってというのはごく当たり前の流れのように思います。
バーチャルのネットでの取引が増えてきているために、逆にリアルの無人店舗が増えているというのは消費者金融ならではの面白い現象ですね。
実際には、顔としてある程度の無人店が必要ということよりも、このネット申し込みが増えてというのが無人店増加のメインの理由なのでしょう。
利便性を求めてネットで申し込んだ人が、契約をしてカードを発行するためにわざわざ30分以上もかけて無人契約機に行くというのはあり得なさそうですからね。
少なくとも私なら、申し込みをしたものの、電話で話したところ、契約するためにはわざわざ遠くの無人店まで行く必要があるといわれたら「あーじゃあ申込みキャンセルでいいです」となりそうですから。
ある程度近くにあるというのが重要な条件であるため、無人店が増加しているということなのでしょう。